ドクター関口のちょっとセクシーな女子会ブログ

女性医療クリニックLUNAグループ理事長のプログです。健康ネタ、マンガネタバレ、旅行ネタ、歌舞伎ネタが豊富です。

十月大歌舞伎(3) 夜の部は玉三郎と鴈次郎を堪能しました。

さて夜の部の最初の演目は、坪内逍遥
沓手鳥孤城落月(ほとととぎすこじょうのらくげつ)”です。
歌舞伎の演目の一番古いのは、近松門左衛門等の江戸中期の作ですが、
多く上演されるのは、幕末〰昭和30年代作の作品です。
坪内逍遥もマハバーラタと同じで、
日本史で名前だけ暗記した人が多いと思います。

さてこの作品では、玉三郎が、淀の方を演じています。
淀の方って日本では、年に2~3回はどこかで誰かが演じていますよね。
その中にはよても賢くて、運命に従順な淀の方もおります。
しかし今回は、その反対のタイプ。

舞台は、落城前日の大阪城なんですが、
この淀の方は完全なわがまま悪女で、
千姫大阪城の外に逃がそうとした関係者を全て殺し、
千姫にも暴力をふるっています。
しかし結局千姫には逃げられ、
千姫の赤い打掛をずっとズルズルと引きずってもっていますが、
最後の場所になる倉庫に入る時には、完全に正気ではなくなっています。
この正気でなくなった淀の方を支えて一門は、死出の旅路にでるという作品です。

この性格の悪い淀の方ですが、玉三郎妖艶に演じています。

だいたい歴史的にみて、
いくら徳川家康が冷酷な奴だったとしても、
関ケ原の後くらいで、淀の方がさっさと世の中を見通して、大坂城を明け渡していたら、
加賀百万石ならぬ豊臣200万石・・・なんていうのが存在していたでしょうから、
淀の方に、世の中を見通せる目があったとは思えません。

まあ淀の方の生き方を現在に生かすとすれば、
将来の方向を決める際に、過去に損した資産(損失利得)を勘定にいれてはいけないという考え方ですね。
過去にどんなに栄華を極めても、人生、一寸先は闇です。
今後一番よさそうな方向性を過去を忘れて、冷静な目で見通す努力が必要でしょう。



2本目の演目は、
漢人韓文手管始 かんじんかんもんてぐだのはじまり”
です。
主役は中村鴈次郎
敵役が中村芝翫です。

中村鴈次郎は、
東京よりも関西で人気の歌舞伎役者です。
坂田藤十郎。現在現役最長老。女方ですよ。
扇千景
中村扇雀です。
息子中村壱太郎です。

さてこの演目ですが、
結構よくあるパターンです。
舞台は長崎
中国から使者を接待するため大名が饗応役に指名されています。
その大名の家老の伝七は、花魁の高尾太夫と恋愛関係です。
ところで、
この藩の殿も高尾の友人の名山太夫と恋愛関係です。
しかし
藩にはお金がなく、殿は名山太夫を身請けできません。
ある時
中国の役人が日本にやってきますが、この役人の一人が名山太夫に一目ぼれして、身請けしたがります。

さらに伝七の藩では、
饗応のために献上する予定だった名刀の誉れ高い槍の穂先を、盗まれてしまっています。


ところで
通訳長の典蔵も、実は高尾が好きです。
典蔵は、
伝七に高尾との仲をとりもつことを条件に穂先が偽物でもだまっていることや、名山大夫の身請け費用を工面することを約束してくれます。
伝七はこの時に、
自分と高尾がいい仲であることを典蔵に言いそびれてしまいます。

ある日典三が、
廓で飲んでいる時に高尾太夫がやってきます。
そして、
典三の話術にはまって、高尾太夫は典三に、自分と伝七がいい仲であることを暴露してしまいます。

典三は、怒りくるいます。
献上品の品評会の日
中国の使者のうち一人が病気になって、典蔵が代役をします。

典蔵は、
伝七の藩の貢物を偽物と暴露し、
さらに名山太夫も中国の役人に売り渡してしまいます。

伝七は、うろたえて典三の後を追います。
そして口論の末、伝七は典三を殺してしまいます。

ここで終わり!!

この中途半端に終わるかたが、通し狂言ではない場合の歌舞伎のパターンです。
最初のうちは、
なんでここで終わってしまうの?
と、非常に気持ち悪いんです。

でも何度も観ていると、
歌舞伎は筋も大事だけど、それに勝って歌舞伎役者の演技や踊り・舞台音楽を鑑賞する芸能なんだな
ということがわかってきます。

3つ目の演目は、
玉三郎と梅枝、児太郎の女方3名による
踊りと、琴の演奏

私結構踊りの時に、寝てしまうんですが、
この3名の踊りはまったく眠くない

この世の者とは思えなない美しさでした。


美を満喫して、帰宅の途についた一日でした。

10月大歌舞伎(2)マハバーラタ戦記 続き

ガンジス河へ流された男子は、
カルマと名付けられ、御者の家庭で育ちますが、
成人すると自分の役割を自覚して、
家を出て修験者について修行します。

一方太陽神の息子を処女で出産したこのお姫さまですが、
まもなく象の国の王妃になります。

その後、
王妃は3名の男子を出産。
しかし王様は男性不妊
3名の父親は、それぞれ別の神様です。
さらに他の女性が生んだ男子2名も養子にしており、
王妃の息子は、5人兄弟

この5人が登場の際に
白波5人男風に、1人ずつミエをきります。
これがなかなか面白い企画です。

さて
長男は、徳はあるのですが、欲やこだわりのない性格。
次男は、乱暴もの。
三男が、帝釈天の息子(アルジュラ)です。
姫が、ガンジス川に流した太陽神の息子(カルマという)と対比されるキャラクターです。


カルマが、物事の解決方法として暴力を否定するのに対して、
アルジュラは、肯定します。

さて
象の国の王様は実は次男で、生まれつき盲目の長男がいました。
王様の存命中は平和でしたが、
王様がなくなると、この王様の兄の子供たちが、
家督は我々のものであると主張します。

この子供たちが
ズルヨウダ王女とその弟です。

ズルヨウダ王女は、カルマを味方につけ、
5人兄弟 対 ズルヨウダ+カルマ
が、争いの主役となります。

ズルヨウダ王女は、
5人兄弟を騙し、焼き殺そうとしましたがうまく行かず、
結局いかさまサイコロ博打で、5人兄弟の資産を全て没収し、
森の中へ追放してしまいます。

しかし13年後に5人兄弟の反乱がおこり、
結局ズルヨウダ王女と弟の王子は戦死
カルマは、
ズルヨウダオウ王女に忠義を立ててアルジュラにわざと討たれて死んでしまいます。

象の国は疲弊しますが、
5人兄弟うちの徳の高い長男になり、その後は長く栄えます。

神々も、
人間の中にも見込みのある奴がいるのだと納得します。

カルマは、
最初は、戦いを全否定でしたが、
物語がすすんでいくうちに、戦いの中にも正義があることを知り、
戦いで死にます。

アルジェラ王女は、
生涯の孤独を抱えていましたが、カルマとのかかわりで孤独が癒されます。

アルジェラは、
力だけでは人を統治できないと悟り、長男を支えて生きていこうと決めます。


カルマが、主役尾上菊之助で、
アルジュラは、準主役で尾上松也です。
松也は、今や押しも押されもしない若手のホープです。
(ちなみに松也は現在、NHK大河ドラマで、
蹴鞠の好きで今川家をつぶしたとされる今川義元の息子の氏真を熱演してます。
脇役で、汚れ役や敵役でも演じきれるのが松也の実力ですよね。)

このズルヨウダ王女は、冷たい悪女なんです。
この役中村七之助が演じています。
七之助、猟奇的な悪女を演じさせたら、当代一ですね。
菊之助・松也を圧倒した存在感です。

菊之助は良かったんですが、今回は女方ではなかったんです。

菊之助の良さは、以前も書きましたが女方のあでやかさなんです。
これからも菊之助には、
体型を保って、玉三郎のように
いつまでの、女方して欲しいです。


ところで
歌舞伎座の月の後半では、
プログラムの写真が実際の舞台の写真に指し変わり、
喫茶店の前に、生写真コーナーが出るんです。
菊之助女方の生写真だったら欲しかったんですが、今回はないので買いませんでした。

さて女方ですが、
女性が、顔が美人で評価されるタイプと、
顔はそれほどでもないが、その他のこと(歌舞伎俳優の場合は、演技力等)で評価されるタイプがいます。
特に男性が女性を演じますので、骨格がゴツイとちょっとかわいそうです。


藤十郎玉三郎・高麗蔵・菊之助・米吉などは、
顔の骨格が華奢で、美形
雀右衛門時蔵猿之助・梅枝・児太郎などは、
顔の骨格が少々ゴツくて、芸で売るタイプでしょう。

美人・イケメンは、どの業界でも得ですが、
そうでなくてもなんとかなるは、どの業界でも同じですよね。

昼の部は菊之助。夜の部は玉三郎の歌舞伎座10月歌舞伎観てきました。(1)

昨日は、久しぶりの
昼の部・夜の部通し歌舞伎を観てきました。
午前11時から午後8時30分まで、ずっと観劇しているんですから

相当疲れます。
お金も相当かかります。

ですから時々しかしません。
でも今月は、
お昼の部は、菊之助がメイン
夜の部は、玉三郎がメイン
とファンが思う演目なんです。
(ちなみに歌舞伎座ですから、他の有名俳優もたくさんでてますよ。)
それで無理して、妹の事務長も連れて行ってきました。

(ちなみに私は、火曜日はオフなんですが、事務長は、休みではありません
事務長って休みないんですよ。
土日も私といっしょに働くので、月の休みは1~2日です。
ですから歌舞伎座でも
幕間に、バンバン電話で呼ばれてました。超ブラックな仕事なんです。
彼女が痩せないのは、過労のためと言われています。)

さてお昼の部は、マハバーラタ戦記でした。

世界史で習った、マハバーラタ・ラーマーヤナ
あのマハバーラタです。

高校の時は、内容を全く知らず
マハバーラタ・ラーマーヤナ
お経のように唱えて覚えたもんですが、
54歳にして初めてその内容を知りました。

インドの古事記・日本書記といったような内容

その内容を、和装で演じるところがシュールでなんです。

昔は、日本でも、インドでも、西洋でも
神と王族は、コミュニケーションできたようですね。

それで、人間界が破滅しそうな時に、
そのまま放置しようという神
チャンスを与えようという神
分かれるんですが、

太陽神は、
チャンスを与えようとする派だったんです。

それで太陽神は、王族の姫に自分の息子を産ませます。

しかし王族の姫としては、
処女なのに、いきなり妊娠・出産していまい、
親にも言えず、悩んで、

ガンジス河に
その息子を流してしまうんですね・・・・・

風邪の直り方

3日前から風邪気味なんです。
熱はないんですが、のどがイガイガして、
マスクをしていないと咳がでてきます。

医者ですから、ヤバイと思った時から薬開始してますが、
症状は一進一退です。
この症状の場合は、仕事をさっさと終わらせて
酒をのまず早寝を3日間する必要があります。

しかしこれができないんですよね。

なぜ3日必要かというと、3日前から風邪ぎみだからです。
風邪は、症状のピークが1日目に来るような激しい風邪でも、
速やかに養生するれば、全経過2日で直るとされています。

だらだら不摂生して、大した症状ではないけれど
症状のピークが、4~5日目になってしまった場合は、
全経過は10日くらいになってしまいます。

中年になってしまった私は、
免疫力が若い時より低下しており、
さらに仕事を休んで酒をやめてさっさと寝ることが
できなくなってしまっているので、
最近は、全経過3日で風邪がなおらなくなってしまいました。

医者の不養生!



反省・・・・・

人間は、15歳〰50歳の男性以外は、虚証です。

さて本日は、漢方の話を少しします。
実虚は、
東洋医学の2元論からでた発想で、基本は陰陽論
万物は全て、の2つに分けれらるんです。
は陽、は陰。
は陽、は陰。
若者は陽、老人は陰。
等です。

そしては陽、は陰です。
実証は、体力のある人
(ストレスに対する反応性の小さい人)
虚証は、体力のない人
(ストレスに対する反応性の大きい人)

寒さや暑さ、長時間労働や過労などで
体調が悪くなる人は、基本的に虚証です。
一方、体調が悪化せず生活できる人は実証なんです。

一般的に、15〰50歳くらいの男性には実証が多く、
それ以外の女性・子供・中高年には虚証が多いんです。

いままでの日本の社会は、
実証の人でないと生き抜けない社会でした。

しかしこれからの日本は、
虚証の人が働き続けられる社会にならないと
労働生産性が確保できません。


本日は衆議院選挙でしたが、
結果がどうであれ、
そういう社会になってほしいですね。

ディサービスは昔と変わったらしい。85歳にスクワット教えてくれてます。

以前はよく
「うちの夫(や母)は、ディサービスに行かない」
という苦情を家族から聞いていました。
理由は、
「俺(や私)は、ボケ老人ではないので、
あのような簡単な作業をみんなですることは耐えられない」
というものが多かったんです。

実際に先輩の女医さんから聞いた話では、
花を1本、花瓶にさすだけの作業を生け花
と称していた施設があったとのこと
集団でする生け花が、
花1本でわびさびを目指すわけではないでしょうから、
完全に手抜きのデイサービスだったんです。

しかし、たぶん競争力が働いて
最近のディサービスは、かなりよくなっている印象。
本日外来にいらっしゃった85歳の患者さんは、
3カ月前からスクワットをはじめ、最初は10回だったが、
今月から20回になったとのこと。

そのほか脳トレとボール運動させてくれるそうです。
(ちなみにスクワットは尿漏れ予防にもいいんですよ。)
腰椎圧迫骨折をして83歳の私の母も、
デイサービスが終わって帰ってくるとクタクタでベットでお昼寝。
何しているの?と聞くと、
まだ外歩きが怖い
と言うと
では室内でと
理学療法士が、後ろについて相当歩かされるみたいです。

意欲のある高齢者にとっては、
最近のディサービスいいみたいですよ。

失敗しないと言う医者の、失敗した患者は、別の医者のところに行っている。

本日は、またドクターXの放映日ですね。

本日朝から尿失禁の手術をしていたんですが、
患者さんの膣の粘膜は、若いのに薄くて、
恥骨の角度もテープを入れにくい角度で、
しかも失禁量が多い。

明らかに、治療成績の悪い(失敗となりやすい)患者さんなんです。

私は、1日尿失禁量の多い(だいたい100g以上)患者さんには
術前に、1回の手術では症状が完全には改善せず、
2回手術を行う可能性が、軽症尿失禁の人より多いと説明(ある意味言い訳)しておきます。

自分は、完璧な手術をして、
失敗は(ほとんど)ないといい切る医師が現実にもいるんですよ。
自分のことを、自分で
”神の手”と言ってしまう医師です。

でもそういう医師の手術で失敗した患者は、
その医師に、調子が悪いことを言いにくい
またはその医師が、調子が悪いといくら言っても無視するので、
大概他の医師のところを受診します。
業界内では、誰がそういう医師がみんな知っているんですが、
誰もいいません。

ドクターXはドラマとしてはとても面白いですが、
自分が手術を受ける時は、
失敗しないと言う医者に手術を頼むのは
チョット危険です。