みなさまご無沙汰してます。
本日は、ずいぶん前にマーケティングの武田さんに注文された。
GSMの腟・外陰所見です。
以前も、このブログで、すこし触れたことがあります。
GSMはgenitourinary syndrome of menopauseの
略称で、日本語訳は閉経関連泌尿生殖器症候群になる予定です。
2014年に北米閉経学会と国際女性性機能学会が、
共同で提唱した新疾患概念です。
閉経による性ホルモン分泌低下によって生じる
尿路生殖器の萎縮等の形態変化および
それに伴う不快な身体症状や機能障害の総称で、
萎縮性膣炎という単語に比較して、
症状・病態を包括的に説明する概念とされています。
重要なことは、
GSMは慢性かつ進行性の疾患であり、
中年以降の女性の約半数が罹患していると報告されていることです。
GSM患者の自覚症状は
尿路および生殖器に関わるもので、
外陰部乾燥感・灼熱感・
掻痒感のような外陰部の皮膚症状や、
排尿困難感・頻尿や尿意切迫感・
反復性尿路感染症などの尿路系症状、
さらに性交渉の機会がある場合は、
愛液の減少・性交痛・オーガズム障害・
性交後出血といった
性機能に関する症状を訴えます。
GSMは、閉経後に性ホルモン分泌が低下により、
次の3つの変化が、腟・外陰に起こることが原因と考えられています。
①外陰・腟の血流低下が生じ
外陰や腟内が乾燥し腟分泌も低下する。
②腟粘膜のコラーゲン減少で腟ひだが消失、
粘膜が菲薄化する。
③上皮細胞の活性が低下することで
腟内のグリコーゲン産生量が低下し、
腟内の乳酸桿菌が減少する。(図1)
これらの原因により腟・外陰に特徴的な変化が起こります。
クリトリスは、
正常の包皮は自分でむくことができて、
中に小指~中指の頭くらいのサイズのしっとりしたクリトリスが確認できますが、
GSMになると包皮がむけにくくなり、クリトリスは縮小し、
触れるだけまたは何もしないのに疼痛や違和感が訴えることがあります。
正常の尿道口は、しっとりしていて縦に閉まっていますが、
GSMが進行すると円形となり、赤い粘膜が中からでてきます。
腟内は、GSMになると、乾燥が進み、
周囲と比べて白く抜けていたり、赤みが強くなったりします。
指をやさしく挿入しているのに痛みを訴える場合もあります。
症状が進行すると、腟口が小さくなってしまいます。
細菌性膣炎の発症も多くなり黄色帯下がでることもあります。
小陰唇は、正常は、最大幅は、1cm〰4cmくらいでしっとりしていますが、
GSMになると肛門側が短くなり、全体的に薄くなっていき、
場合によっては、完全に消失してしまいます。
(図2)
治療は、LUNAでは、まずエイジングケアセット
(LUNAプライドスキンプレミアム&ホルモードモアゴールド)
を一滴ずつまぜて、毎日入浴後腟・外陰への塗布する
GSMケアをお勧めしています。(図3)
さらに骨盤底リハビリテーションや
ピフィラティスなどの骨盤底の運動療法や、
モナリザタッチ®(フラクショナル炭酸ガスレーザー治療)
をおすすめすることもあります。(図4)