ドクター関口のちょっとセクシーな女子会ブログ

女性医療クリニックLUNAグループ理事長のプログです。健康ネタ、マンガネタバレ、旅行ネタ、歌舞伎ネタが豊富です。

ドクター関口の下ネタトリビア(8)日本性機能学会で講演があった春画のはなし

日本に帰ってきて、
色々忙しく、ブログ書けませんでした。
本日は、今年の日本性機能学会での
春画講演の話題です。
演者は、国際日本文化研究センター
名誉教授の早川聞多さんでした。
この方は、日本の春画研究家です。
日本の春画が、江戸時代に、
ヨーロッパに輸出されたことにより
ジャポニズムがブームになって、
その後のヨーロッパ絵画に
多大な影響を与えたそうです。
春画には、余白に
登場人物の発言が、
たくさん書いてあるそうなんです。
日本が誇る”マンガ”の原型が
ここにあるんじゃないでしょうか?
この登場人物の発言を、
ヨーロッパの人には、読めなかったので、
いくつかの誤解が生まれたそうです。
まずは、当時のヨーロッパでは庶民は
無地の地味な服しか来ていなかったんですが、
江戸時代の日本の庶民は、
綺麗な色や柄のある着物を
普通に着ていたそうです。
それで春画は、日本庶民の
普通の性風景だったんですが、
ヨーロッパでは、廓の中の風景と
判断されたそうです。
日本では庶民の性風景なので、
例えば子供に母乳をあげている妻に
ちょっかいを出している夫とかの春画の中では、
”あなたちょっとやめなさい!!”というような
軽い会話がされているにもかかわらず、
ヨーロッパでは、イマジネーションの
セックスの舞台(廓)中に
倫理的には決して存在してはいけない、
子供が描かれていると思われて、
既成の倫理観への挑戦ととらえられそうです。
また有名な、北斎の”蛸と海女”は、
余白の文字を読むと
AVの男優と女優の会話のような
たわいのないやりとりが
くりひろげられているんですが、
西洋では悪魔の使いであるタコと
悪戯している裸の女性の図は、
神への冒涜や挑戦としてとらえられたそうです。
つまり江戸時代の日本の
老若男女の庶民が、
軽く楽しんでいた春画が、
ヨーロッパでは、
インテリの社会批判を含む
芸術性の高い作品であると
重く評価されたんだそうです。
この話を聞いて、
真面目の古文書読めるようになりたい!
と現在私は思っています。
また春画では、
男女の顔(表情)と
性器が、同一画面で、
詳細に描かれたそうですが、
それは写実的には、
無理なことで、
この矛盾のある構図が、
ピカソをはじめとする
抽象画に
強い影響を与えたそうです。
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