関口由紀のブログ

女性医療クリニックLUNAグループ理事長のプログです。健康ネタ、マンガネタバレ、旅行ネタ、歌舞伎ネタが豊富です。

腟ダイレーターの使い方

マーケティングの武田さんから
一般の人には、腟ダイレーターの使い方がわからないから、
ちゃんと説明しろというオーダーありました。
現在私の知る限りの医療的なダイレーターの使用機会は、3通りです。
① 腟痙攣の行動療法
② 性転換手術 術後の腟の維持
③ GSM(閉経後性器尿路症候群)による腟萎縮の治療

①腟痙攣
未完成婚の大きな原因の一つです。
この疾患だと、腟にペニスを入れようとしても、腟が痙攣して入れることができないんです。
この場合は、まず一番細いダイレーターに麻酔ゼリーをつけて、
自分で腟に入れる練習(1日1回)から開始します。

1か月ごとくらいに、ワンランク上の太さのダイレーターに交換します。
この1か月くらいが、重要で、1週間ではだめです。
痛みや、恐怖を感じないようにゆっくり慣れることが重要です。

3番のダイレーターが、苦痛なく入れられるようになったらまずは自分の指を入れます。
1本いれられた、2本。
次にパートナーの指を入れます。1本入れたら2本。
その間もダイレーターによる拡張練習は続けます。

最後にペニスを腟に入れる練習をするわけですが、
この際は、深い挿入にはこだわらないようにします。

実は、女性の性感帯の多くは、腟入口部付近にあるんです。
また腟入口部付近で射精すれば、妊娠も可能です。


② 性転換手術で腟形成術を使用した場合
腟の太さと長さを維持するために定期的なダイレーターによる拡張が必要です。
これは、太目のダイレーターが1~2本れば充分で、これを連日10~20分程度
腟に入れておきます。
(手術後時間が経てば週2~3回でオーケーになります。)
性転換手術の腟形成術は、今年から一部健康保険が適応になりましたが、
いままでは自由診療でしたので、高額の手術代がかかりました。
それで、絶対再手術が嫌ということで、必要以上に大きくて長いダイレーターを
深く挿入して使用している方がいました。
それで形成した腟が傷ついていたんです。

日本女性の腟の長さの平均は、8~10cmくらいです。
15cm以上は入れすぎです。
また現在パートナーがいないからといって拡張をさぼっていると、
いざパ―トナーができた時に入らないということになりますので、
性転換手術術後の方のダイレーター使用は、定期的に適切に行うことが重要になります。

GSMの患者さんのダイレーター使用
最近学会などで、言われるようになってきました。
性転換手術術後の方よりは、閉経後の女性のほうが腟萎縮による腟狭窄の頻度や速度は遅いです。
また常にパートナーが入れて定期的にセックスしていると
腟萎縮による腟狭窄は起こりにくいです。

問題は、しばらくパートナーがいなくてデリケートゾーンケアをしてなかったのに
突然フォールインラブしてしまう可能性が人間にはあるということ。
そうなると萎縮による腟狭窄の著しい人は女性ホルモンクリームを使用しながら
ダイレーターで拡張していきます。

GSMの予防には、デリケートゾーンの日々のケアは必要です。
LUNAでは、日々のデリケートゾーンケアのためにLUNA GSM トリートメントセットを作ってみました。
横浜・大阪の各クリニックで販売しています。
(税別12000円/3か月分)

ベースにヘパリン類似物質のローションを塗って、
さらに1日おきに、交互にエストロジェンクリーム(バストミン)
腟美容液(LUNA PRIDE スキンプレミアム)を外陰皮膚に塗ります。
試してみたい方は、お気軽にご来院ください。
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