ドクター関口のちょっとセクシーな女子会ブログ

女性医療クリニックLUNAグループ理事長のプログです。健康ネタ、マンガネタバレ、旅行ネタ、歌舞伎ネタが豊富です。

10月大歌舞伎(2)マハバーラタ戦記 続き

ガンジス河へ流された男子は、
カルマと名付けられ、御者の家庭で育ちますが、
成人すると自分の役割を自覚して、
家を出て修験者について修行します。

一方太陽神の息子を処女で出産したこのお姫さまですが、
まもなく象の国の王妃になります。

その後、
王妃は3名の男子を出産。
しかし王様は男性不妊
3名の父親は、それぞれ別の神様です。
さらに他の女性が生んだ男子2名も養子にしており、
王妃の息子は、5人兄弟

この5人が登場の際に
白波5人男風に、1人ずつミエをきります。
これがなかなか面白い企画です。

さて
長男は、徳はあるのですが、欲やこだわりのない性格。
次男は、乱暴もの。
三男が、帝釈天の息子(アルジュラ)です。
姫が、ガンジス川に流した太陽神の息子(カルマという)と対比されるキャラクターです。


カルマが、物事の解決方法として暴力を否定するのに対して、
アルジュラは、肯定します。

さて
象の国の王様は実は次男で、生まれつき盲目の長男がいました。
王様の存命中は平和でしたが、
王様がなくなると、この王様の兄の子供たちが、
家督は我々のものであると主張します。

この子供たちが
ズルヨウダ王女とその弟です。

ズルヨウダ王女は、カルマを味方につけ、
5人兄弟 対 ズルヨウダ+カルマ
が、争いの主役となります。

ズルヨウダ王女は、
5人兄弟を騙し、焼き殺そうとしましたがうまく行かず、
結局いかさまサイコロ博打で、5人兄弟の資産を全て没収し、
森の中へ追放してしまいます。

しかし13年後に5人兄弟の反乱がおこり、
結局ズルヨウダ王女と弟の王子は戦死
カルマは、
ズルヨウダオウ王女に忠義を立ててアルジュラにわざと討たれて死んでしまいます。

象の国は疲弊しますが、
5人兄弟うちの徳の高い長男になり、その後は長く栄えます。

神々も、
人間の中にも見込みのある奴がいるのだと納得します。

カルマは、
最初は、戦いを全否定でしたが、
物語がすすんでいくうちに、戦いの中にも正義があることを知り、
戦いで死にます。

アルジェラ王女は、
生涯の孤独を抱えていましたが、カルマとのかかわりで孤独が癒されます。

アルジェラは、
力だけでは人を統治できないと悟り、長男を支えて生きていこうと決めます。


カルマが、主役尾上菊之助で、
アルジュラは、準主役で尾上松也です。
松也は、今や押しも押されもしない若手のホープです。
(ちなみに松也は現在、NHK大河ドラマで、
蹴鞠の好きで今川家をつぶしたとされる今川義元の息子の氏真を熱演してます。
脇役で、汚れ役や敵役でも演じきれるのが松也の実力ですよね。)

このズルヨウダ王女は、冷たい悪女なんです。
この役中村七之助が演じています。
七之助、猟奇的な悪女を演じさせたら、当代一ですね。
菊之助・松也を圧倒した存在感です。

菊之助は良かったんですが、今回は女方ではなかったんです。

菊之助の良さは、以前も書きましたが女方のあでやかさなんです。
これからも菊之助には、
体型を保って、玉三郎のように
いつまでの、女方して欲しいです。


ところで
歌舞伎座の月の後半では、
プログラムの写真が実際の舞台の写真に指し変わり、
喫茶店の前に、生写真コーナーが出るんです。
菊之助女方の生写真だったら欲しかったんですが、今回はないので買いませんでした。

さて女方ですが、
女性が、顔が美人で評価されるタイプと、
顔はそれほどでもないが、その他のこと(歌舞伎俳優の場合は、演技力等)で評価されるタイプがいます。
特に男性が女性を演じますので、骨格がゴツイとちょっとかわいそうです。


藤十郎玉三郎・高麗蔵・菊之助・米吉などは、
顔の骨格が華奢で、美形
雀右衛門時蔵猿之助・梅枝・児太郎などは、
顔の骨格が少々ゴツくて、芸で売るタイプでしょう。

美人・イケメンは、どの業界でも得ですが、
そうでなくてもなんとかなるは、どの業界でも同じですよね。